温泉マーク問題、以前少し話題になりましたよね。

日本人が良く知ってる温泉マーク、海外の人が見るとレストランと間違えたりするそうで。そこで外国人にもわかるようにマークを変えたものの、日本人、特にデザイン界隈の人にはあまり評判良くないようです。
確かにピクトグラムとしては完成度にかけますね。

ただし、この問題の本質は造形的なところではなく、まさに「デザイン」のことだと思いました。

以前デザインの定義で「関係の設計」と表現しましたが、元々の温泉マークは「日本人との関係を設計するマーク」という前提があります。なので、結果として「日本人以外」は関係の設計の中に組み込まれていない、ということが考えられます。

関係の設計をする際、大きく2つの点を留意する必要があります。それは、人、もしくは動物としての普遍的な意識へ訴えるものなのか。もしくは、その地域や時代ごと、つまり環境依存した人の意識へ訴えるものなのか。

前者は哲学用語で「アプリオリ:経験によって得られたのでなく、経験が成り立つ基礎になるような概念または原理。先験的。先天的。」、後者を「アポステリオリ:認識論上、経験的事実に基づいて初めて定められる概念または原則。後天的。」と定義されています。

つまり、今回の温泉マークはアポステリオリとしての話で、圧倒的温泉文化の根付いているその歴史の中で生み出された温泉マークは、当然海外の人にとってわかりずらく、それを普遍的な共通マークにすること自体問いの設定として既に破綻しています。そして結果としての造形はイマイチにならざるを得ないわけです、そもそも。

そう考えると、対策としてはマークを変えることでは無く、あの温泉マークをいかに効果的に周知するか、そこがおそらくより本質的な解決になるのだと思います。機内にピクトクイズのパンフを置いたり。

いずれにしても「デザイン」を考えるとても良い題材です。