ブランドメッセンジャー

ブランディングをする際心がけていることの一つに「語れる化」があります。以前手がけたA社のブランディングが非常に良い成果を出していることで、A社とつながりのあるB社からブランディングの依頼をいただきました。そしてB社代表のお話を伺っている中で非常に印象深い一言がありました。

「関口さん、私もA社代表のように自分の会社のことを語れるようになりたいんだ。」

A社の場合、確かにブランドのアイデンティティを整理して想いの「伝わる化」を心がけましたが、「語れる化」という視点では捉えていなかったので目から鱗のような感覚でした。

口コミという言い方もありますが、もっと熱を持って語ることでどんどんメッセージが「深く」波及していく。つまり、まずブランドの中心からブランドのメッセンジャーとして想いを発し、それを受け取ったスタッフやお客様がインスパイアされ次なるメッセンジャーとして伝えていく。そんなブランドメッセンジャーを生み出すことがブランディングにおいて非常に大切な視点だと私は感じています。

しばらく前からマーケティングの世界では「ストーリー作り」が大切だという言説がありますが、私はなんとなく違和感を感じていました。職業柄なのかうまく仕立てられたストーリーに戦略的意図を感じすぎて興ざめしてしまっていたからです。ただ「語れる化」の言葉を獲得してからは心の底から伝えたい！と思えるような「語れるストーリー」が重要なんだと思うようになりました。その意味では、経営者が第一ブランドメッセンジャーになれるようエンパワーする役割がブランディングにはあると思っています。