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卓上カレンダー



本ブログは、デザイン思考モデル「G-CID」を使いながら世の中のデザインを紐解き、デザイン思考が実際にどう使われているのかの理解を進めていきます。



毎年暮れになると恒例のクライアント企業様への挨拶回りがあります。

その際の密かな楽しみに「卓上カレンダー」があります。

企業名の入ったカレンダーで、会社のデスクや打ち合わせ場所に置いて大変重宝しているアイテムです。

今回いくつか頂いたカレンダーの中に、一つだけ他と様子の違うカレンダーがありました。

通常であれば新年の1月、今年であれば2022年1月から始まるのが通常のカレンダーです。

しかし一つだけ、2021年の12月から始まるカレンダーになっていて、見た瞬間これぞまさにデザイン思考だと思いました。

卓上カレンダーを受け取るのは基本的に暮れの12月になります。

すると、新年の1月までカレンダーを使えずどこかにしまい込むか、場合によってはその年の分と一緒においてデスクに2つ卓上カレンダーが並ぶことになる「カレンダーどうしようか問題」が毎年必ず勃発していました。

しかし、その年の12月から始まっていれば頂いてすぐに新しいカレンダーに置き換えることができ、問題は一瞬で解決してしまいます。


ここでとても大切なのが課題の発見「カレンダーどうしようか問題」に気づいた点です。

つまりG-CIDの「C(調査・観察)」に当たります。

この課題を解決したアイデア「前年の12月から始める」は秀逸ですが、このアイデアも課題の発見なくしては生まれません。

「カレンダーを新年の1月から始める」は、いわゆる「プロダクトアウト」で作り手都合の域を出ていません。

一方で12月から始まるカレンダーは、ユーザーが実際にどう使うかを観察・想定した「マーケットイン」でつくられています。

「より良い(望まれる)カレンダーをつくる」というゴール(Goal)があってこそ課題を発見する(Check)姿勢になり、アイデア(Idea)を形にしよう(Do)というエネルギーになり、もはや進化しないと思われているようなものにも大きな飛躍をもたらすことができます。

デザイン思考でまず大切なのは、よりよくしたいという気持ちと、課題を見つけようとする姿勢なんですね。

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